【医師監修】糖尿病性網膜症とは?初期症状・検査・治療|尼崎市 兵頭内科眼科・ハートクリニック

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2026.06.02 眼の病気

【医師監修】糖尿病性網膜症とは?初期症状・検査・治療|尼崎市 兵頭内科眼科・ハートクリニック

糖尿病性網膜症は、日本における中途失明原因の上位に挙げられる病気です。 しかし、その一方で 初期にはほとんど自覚症状がないため、気づかないまま進行してしまうケースが少なくありません。

特に、

  • 糖尿病と診断されてから年数が経っている
  • 血糖コントロールが不安定
  • 高血圧・脂質異常症などを併発している

といった方は、網膜症のリスクが高くなります。

尼崎市でも、生活習慣病の増加や高齢化に伴い、糖尿病性網膜症の相談が年々増えています。 「見えているから大丈夫」と思っていても、網膜症は症状が出た時には進行していることが多いため、早期発見が何より重要です。

本記事では、

  1. 糖尿病性網膜症とはどんな病気か
  2. 初期症状
  3. 必要な検査
  4. 治療方法

を医師監修のもとでわかりやすく解説します。

尼崎市で糖尿病の治療中の方、視力に不安がある方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

糖尿病性網膜症とは

糖尿病性網膜症とは、糖尿病によって網膜の細い血管が障害されることで起こる目の病気です。 網膜は、カメラでいう「フィルム」にあたる大切な組織で、光を感じ取り、脳へ映像として伝える役割を持っています。

糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、網膜の血管がもろくなり、出血やむくみ(浮腫)、血管の閉塞、異常な新生血管の発生 といった変化が起こります。

これらの変化が進行すると、視力が低下したり、最悪の場合は失明につながることがあります。

糖尿病性網膜症は「糖尿病の三大合併症」のひとつ

糖尿病の合併症として有名な神経障害、腎症、網膜症 のうち、視力に直接影響する唯一の合併症が網膜症です。

尼崎市でも増えている背景

尼崎市では、生活習慣病の増加や高齢化に伴い、糖尿病患者さんが年々増加しています。 その結果、糖尿病性網膜症の相談や検査希望も増えており、早期発見・早期治療の重要性が高まっています。

糖尿病性網膜症の進行段階(3ステージ)

糖尿病性網膜症は、進行度に応じて 3つのステージ に分類されます。 初期は自覚症状がほとんどありませんが、進むほど視力に影響が出やすくなります。

 1. 単純網膜症(初期)

糖尿病性網膜症の最も初期の段階です。この段階で発見できれば、適切な血糖コントロールで進行を抑えられる可能性が高いです。

この段階で起こる変化
  • 網膜の細い血管がもろくなる
  • 小さな出血(点状出血)
  • 白斑(硬性白斑)
  • 毛細血管瘤(血管のこぶ)
症状
  • ほぼ無症状
  • 視力低下はほとんどない

2. 前増殖網膜症(中期)

血管の閉塞が進み、網膜の一部が酸素不足(虚血)になります。

この段階から、レーザー治療(光凝固術)が必要になることがあるため、早期発見が重要です。

この段階で起こる変化
  • 血管の閉塞
  • 網膜の虚血
  • 異常な血管の増殖準備が始まる
症状
  • 視界のかすみ
  • 見えにくさ
  • まだ無症状のことも多い

3. 増殖網膜症(重症)

最も進行した段階で、失明リスクが高くなります。

この段階では、抗VEGF薬注射、レーザー治療、硝子体手術 など、より専門的な治療が必要になります。

この段階で起こる変化
  • 新生血管(異常で弱い血管)が発生
  • 硝子体出血(大きな出血)
  • 線維組織の増殖
  • 牽引性網膜剥離
症状
  • 視界が真っ暗になる
  • 大量の飛蚊症
  • 急激な視力低下
  • 視野欠損

初期症状と気づきにくい理由

糖尿病性網膜症は、初期にはほとんど自覚症状がありません。 そのため「見えているから大丈夫」と思ってしまい、受診が遅れるケースが多く見られます。

初期に出やすい症状(ただし"出ないこと"が多い)

初期〜中期にかけて、以下のような症状が出ることがあります。

  • 視界がかすむ
  • ものが歪んで見える
  • 飛蚊症(黒い点や糸くずが飛んで見える)
  • 視野の一部が暗い
  • 明るい場所でも見えにくい

しかし、これらの症状は かなり進行してから出ることが多い のが特徴です。

なぜ気づきにくいのか

① 網膜の中心(黄斑)は最後まで保たれやすい

視力の中心を司る「黄斑」は、初期には障害されにくいため、 視力が保たれたまま病気だけが進行します。

② 片目だけ進行しても気づかない

片方の目が悪くなっても、もう片方の目が補ってしまい、 日常生活で違和感を感じにくいことがあります。

③ 痛みがない

網膜症は痛みが出ないため、危機感を持ちにくい病気です。

症状が出た時には「中期〜重症」のことが多い

糖尿病性網膜症は、

初期 → 無症状
中期 → かすみ・見えにくさ
重症 → 出血・視力低下・視野欠損 という流れで進行します。

つまり、症状が出た時点で治療が必要な段階に入っている可能性が高いのです。

尼崎市で糖尿病治療を続けている患者さんでも、 「見えているから大丈夫」と思って検査を受けず、 数年ぶりの眼底検査で進行が見つかるケースが少なくありません。

糖尿病と診断された方は、症状がなくても 年1回以上の眼底検査 が推奨されます。

糖尿病性網膜症の検査

糖尿病性網膜症は、検査をしないと発見できない病気です。 特に初期は無症状のため、糖尿病と診断された方は 年1回以上の眼底検査 が推奨されています。

ここでは、実際に行われる代表的な検査をわかりやすく紹介します。

 1. 眼底検査(散瞳あり/なし)

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診断の中心となるのは 眼底検査 です。瞳孔を広げて眼の奥を観察することで、出血や白斑、毛細血管瘤、新生血管など、網膜の細かな変化を直接確認できます。痛みはありませんが、散瞳すると数時間まぶしさが残るため、検査当日の車の運転は控える必要があります。検査全体の所要時間は20〜40分ほどです。

 2. OCT(光干渉断層計)

近年の診療で欠かせないのが OCT(光干渉断層計) です。網膜を断面図として撮影できるため、黄斑浮腫の有無や網膜の厚みの変化を詳細に把握できます。こちらも痛みはなく、数秒間じっと光を見ているだけで完了し、所要時間は5〜10分程度です。

3. 蛍光眼底造影(必要に応じて)

病状が進行している可能性がある場合には、蛍光眼底造影 を行うことがあります。腕の血管から造影剤を注射し、網膜の血流を撮影することで、血管の閉塞や新生血管、血管からの漏れ(滲み)などを詳しく評価できます。検査時間は20〜30分ほどで、より精密な診断が必要なケースで実施されます。

これらの検査は、糖尿病の状態や網膜症の進行度によって受ける頻度が変わります。

  • 糖尿病と診断されたばかりの方は 年1回以上
  • 単純網膜症では 6〜12ヶ月ごと
  • 前増殖網膜症では 3〜6ヶ月ごと
  • 増殖網膜症では 1〜3ヶ月ごと(治療と並行)

といったように、定期的なフォローが必要です。

尼崎市でも糖尿病患者さんが増えており、眼底検査やOCTを受けられる医療機関が充実しています。通いやすい距離で定期検査を続けられることは、糖尿病性網膜症の早期発見・早期治療に大きく役立ちます。

糖尿病性網膜症の治療方法

糖尿病性網膜症の治療は、進行段階や症状に応じて大きく変わります。 初期では経過観察と血糖コントロールが中心ですが、進行するとレーザー治療や注射、手術が必要になることがあります。

1. 血糖・血圧・脂質のコントロール(すべての段階で重要)

糖尿病性網膜症の進行を抑えるために最も重要なのは、 血糖値・血圧・脂質の適切な管理です。

  • HbA1cを適正範囲に保つ
  • 高血圧の治療
  • 脂質異常症の改善
  • 禁煙

これらの改善は、網膜症の進行を遅らせるだけでなく、治療効果を高めるためにも欠かせません。

2. レーザー治療(光凝固術)

糖尿病性網膜症の進行を抑えるために広く行われている治療が、レーザー治療(光凝固術)です。

網膜の一部が酸素不足(虚血)になると、新生血管という異常で弱い血管が生えやすくなります。

レーザー治療では、この虚血部分にレーザーを照射し、新生血管が生えにくい環境をつくることで、病気の進行を抑えます。治療中は、まぶしさや軽い痛みを感じることがありますが、多くの方は我慢できる程度です。治療は外来で行われ、1回あたりの時間は20〜40分ほど。必要に応じて数回に分けて行うこともあります。

レーザー治療は、視力を劇的に回復させる治療ではありませんが、これ以上悪化させないための非常に重要な治療となります。

3. 抗VEGF薬注射(硝子体内注射)

糖尿病性網膜症の中でも、視力に大きく影響する 糖尿病黄斑浮腫 や、新生血管が活発な場合に行われるのが、抗VEGF薬注射(硝子体内注射)です。

VEGFという物質は、新生血管を増やしたり、血管からの漏れを引き起こす原因になります。抗VEGF薬はこのVEGFの働きを抑えることで、むくみ(浮腫)を改善し、視力の回復が期待できる治療です。

治療は、点眼麻酔をしたうえで、目の中(硝子体)に細い針で薬を注射します。麻酔が効いているため、強い痛みはほとんどありません。治療自体は数分で終わり、外来で受けられます。

抗VEGF薬注射は、1回で終わることは少なく、数ヶ月にわたって複数回の注射が必要になることがあります。OCT検査で網膜のむくみを確認しながら、治療間隔を調整していきます。

この治療は、視力改善が期待できる数少ない治療のひとつであり、特に黄斑浮腫がある患者さんにとっては非常に重要です。

4. 硝子体手術(重症例)

糖尿病性網膜症が重症化すると、眼の中で大きな出血(硝子体出血)が起こったり、増殖した組織が網膜を引っ張って牽引性網膜剥離を起こすことがあります。 このような状態では、レーザー治療や注射だけでは改善が難しく、硝子体手術が必要になることがあります。

硝子体手術では、濁ってしまった硝子体を取り除き、網膜を圧迫している線維組織を切除したり、剥がれかけた網膜を元の位置に戻す処置を行います。 これにより、視界を遮っていた出血が改善したり、網膜の状態を安定させることが期待できます。

ただし、この手術は専門的な設備と高度な技術が必要で、医療機関によっては入院が必要になることもあります。 そのため、当院では硝子体手術は行っておらず、手術が必要と判断される場合には、尼崎市および近隣地域の適切な専門医療機関へ速やかにご紹介しています。

患者さんの状態に応じて、最も適切な治療が受けられるよう、眼科専門医と連携しながらサポートしていきます。

放置するとどうなる?

糖尿病性網膜症は、初期にはほとんど自覚症状がないため、つい受診や検査を後回しにしてしまいがちです。しかし、放置すると病気は確実に進行し、視力に大きな影響を及ぼす可能性があります。

1.視力低下が進む

まず、網膜の血管障害が進むと、視界がかすんだり、ものが歪んで見えるといった症状が現れます。特に、視力の中心に関わる「黄斑」にむくみ(黄斑浮腫)が生じると、細かい文字が読みにくくなり、日常生活に支障が出ることがあります。

2.硝子体出血で突然見えなくなることがある

さらに進行すると、新生血管が破れて眼の中に大きな出血(硝子体出血)が起こり、突然視界が真っ暗になることもあります。自然に吸収される場合もありますが、多くは治療が必要で、場合によっては手術が必要になることもあります。

3.網膜剥離、最悪は失明のリスク

また、増殖した線維組織が網膜を引っ張ることで、牽引性網膜剥離を起こすことがあります。網膜剥離が進むと視力の回復が難しくなり、最終的には失明につながる可能性もあります。

糖尿病性網膜症は、日本の中途失明原因の上位に挙げられる病気です。しかし、早期に発見し適切に治療を行えば、視力を守れる可能性は大きく高まります。「見えているから大丈夫」と思っていても、症状が出る頃には中期〜重症に進んでいることが多いため、糖尿病と診断された方は、症状の有無にかかわらず定期的な眼底検査が欠かせません。

糖尿病性網膜症になりやすい人

糖尿病性網膜症は、糖尿病の方であれば誰にでも起こり得る病気ですが、特に 発症しやすい人・進行しやすい人 にはいくつかの特徴があります。

まず、糖尿病と診断されてからの年数が長いほど、網膜の血管に負担がかかりやすく、網膜症のリスクが高まります。特に 糖尿病歴が10年以上 の方は注意が必要です。また、血糖コントロールが不安定で、HbA1cが高い状態が続いている場合も、網膜の血管が障害されやすくなります。

さらに、高血圧や脂質異常症、腎症 といった生活習慣病を併発している方は、血管全体がダメージを受けやすく、網膜症が進行しやすい傾向があります。

喫煙習慣がある場合も、血流が悪くなることでリスクが高まります。

女性では、妊娠中に血糖値が変動しやすくなるため、妊娠糖尿病の方や、糖尿病を持つ妊婦さんは特に注意が必要です。妊娠をきっかけに網膜症が進行することもあるため、定期的な眼科検査が欠かせません。

このように、糖尿病性網膜症は「糖尿病の人なら誰でも起こり得る」一方で、生活習慣や体の状態によって進行しやすい人がいます。自覚症状がなくても、当てはまる項目がある方は、早めに眼底検査を受けることが視力を守る第一歩になります。

当院で行っている検査・治療

尼崎市の兵頭内科眼科・ハートクリニックでは、糖尿病性網膜症の早期発見と進行予防のために、眼底検査やOCT検査を中心とした診断・経過観察を行っています。

初期〜中等度の網膜症に対しては、血糖コントロールの重要性をお伝えしながら、必要に応じてレーザー治療や抗VEGF薬注射などの治療にも対応しています。

眼底検査では、網膜の出血や白斑、新生血管の有無を確認し、OCT検査では黄斑のむくみ(黄斑浮腫)を詳しく評価します。これらの検査を組み合わせることで、症状が出る前の段階から網膜の変化を捉え、適切な治療につなげることができます。

レーザー治療が必要な場合には、外来での治療が可能です。また、黄斑浮腫や新生血管の活動性が高い場合には、抗VEGF薬の硝子体内注射を行い、視力の改善や進行抑制を目指します。

一方で、重症例で必要となる硝子体手術は、専門的な設備と高度な技術が求められるため、当院では実施していません。大量の硝子体出血や牽引性網膜剥離など、手術が適切と判断される場合には、尼崎市および近隣地域の専門医療機関へ速やかにご紹介し、治療がスムーズに受けられるよう連携を行っています。

患者さんの状態に合わせて、無理のない通院ペースで検査と治療を続けられるようサポートし、視力を守るための最適な医療をご提供しています。

監修医師

  • 兵頭内科眼科・ハートクリニック
  • 眼科医:檀上陽子
  • 大阪市立大学医学部を卒業
  • 所在地:〒661-0001 兵庫県尼崎市塚口本町1-21-5

資格・専門医資格

  • 日本眼科学会 眼科専門医

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