2026.02.05 代謝・内分泌の病気
脂質異常症とは?検査値の見方・要注意ラインを解説
健康診断で「脂質異常症」と言われたとき、まず知っておいてほしいこと
健康診断の結果票を見て、「脂質異常症(ししついじょうしょう)」という言葉にドキッとした方も多いと思います。
「このまま放っておいたらどうなるんだろう?」「自分は大丈夫なのか?」と、不安が頭をよぎるのは自然なことです。
まず最初にお伝えしたいのは、脂質異常症は"今すぐ命に関わる病気"ではないということです。
ただし、放置すると将来の心筋梗塞や脳梗塞につながるリスクが高まる"サイン"でもあります。
つまり、「怖がりすぎる必要はないけれど、向き合う価値は十分にある状態」と考えていただくのがちょうど良いバランスです。
健康診断で見つかったのは「チャンス」
脂質異常症は、自覚症状がほとんどありません。
そのため、気づかないまま何年も過ごしてしまう人も少なくありません。
健康診断で指摘されたということは、"早い段階で気づけた"という大きなメリットがあります。
- 生活習慣を整えるだけで改善するケースが多い
- 数値が高くても、すぐに治療が必要とは限らない
- 早めに対処すれば、将来のリスクを大きく下げられる
こうした点を知っておくだけで、必要以上に不安を抱えずに済みます。
この記事でわかること
この記事では、健康診断で脂質異常症を指摘された方が、「何から知ればいいのか」「どう行動すればいいのか」を理解できるように、次の内容を3回にわけて、丁寧に解説します。
- 脂質異常症とはどんな状態なのか
- LDL・HDL・中性脂肪などの検査値の意味
- なぜ脂質異常症になるのか
- 放置するとどんなリスクがあるのか
- 今日からできる改善方法(食事・運動・生活習慣)
- 医療機関に相談すべきタイミング
脂質異常症は、生活習慣と深く関わる状態です。
だからこそ、小さな行動の積み重ねで改善できる余地が大きいのも特徴です。
- 食事を少し見直す
- 歩く時間を少し増やす
- 甘い飲み物を控える
こうした"ちょっとした変化"でも、数値は確実に良い方向へ動きます。
この記事を読み進めることで、「何をすればいいのか」が自然と見えてくるはずです。
目次
脂質異常症とは何か|LDL・HDL・中性脂肪の基礎知識
健康診断の結果票には、「LDLコレステロール」「HDLコレステロール」「中性脂肪(トリグリセライド)」といった項目が並んでいます。
これらはすべて「血液中の脂質(あぶら)」に関する数値で、脂質異常症の判断に使われます。
まずは、脂質異常症がどんな状態なのかを、できるだけわかりやすく整理していきます。
脂質異常症とは「血液中の脂質バランスが崩れた状態」
脂質異常症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪が"多すぎる"または"少なすぎる"状態
のことを指します。
特に問題となるのは次の3つです。
- LDLコレステロールが高い(悪玉が多い)
- HDLコレステロールが低い(善玉が少ない)
- 中性脂肪が高い
これらのバランスが崩れると、血管の内側に脂質がたまりやすくなり、動脈硬化が進みやすい状態になります。
LDLコレステロール(いわゆる"悪玉")とは
LDLコレステロールは、肝臓から全身の細胞へコレステロールを運ぶ役割を持っています。
本来は必要なものですが、増えすぎると血管の壁に入り込み、動脈硬化の原因になりやすいため「悪玉」と呼ばれています。
- LDLが高いほど、心筋梗塞・脳梗塞のリスクが上がる
- 食生活・運動不足・遺伝などの影響を受けやすい
健康診断で最もよく指摘される項目です。
HDLコレステロール(いわゆる"善玉")とは
HDLコレステロールは、血管にたまった余分なコレステロールを回収し、肝臓に戻す役割を持っています。
つまり、血管をキレイに保つ"掃除屋"のような存在です。
- HDLが低いと、コレステロールが血管にたまりやすくなる
- 喫煙・運動不足・肥満などで低下しやすい
LDLが高いだけでなく、HDLが低いことも脂質異常症の一つです。
中性脂肪(トリグリセライド)とは
中性脂肪は、身体のエネルギー源・蓄えとして重要な脂質です。
しかし、増えすぎると...
- 動脈硬化のリスクが高まる
- 膵炎(すいえん)を引き起こすことがある
- 肝臓に脂肪がたまり「脂肪肝」につながる
などの問題が起こりやすくなります。
特に、甘い飲み物・アルコール・炭水化物の摂りすぎで上がりやすいのが特徴です。
→ 大切なのは「1つの数値」ではなく「全体のバランス」
脂質異常症は、LDL・HDL・中性脂肪の"バランス"で判断されるものです。
- LDLが少し高くても、HDLが十分に高い場合
- 中性脂肪が高くても、一時的な食事の影響の場合
- 逆に、LDLが正常でもHDLが極端に低い場合
など、組み合わせによって意味が変わります。
健康診断の結果を見て不安になる方は多いですが、1つの数値だけで判断する必要はありません。
次に、脂質異常症が起こる原因について、生活習慣と体質の両面から詳しく解説していきます。
検査値の見方|LDL・HDL・中性脂肪の基準値と「要注意ライン」
健康診断で脂質異常症を指摘されたとき、まず気になるのが 「自分の数値はどれくらい悪いのか?」 という点だと思います。
ただ、検査値は"高い=すぐ危険"という単純なものではありません。
ここでは、結果票のどこを見ればよいのか、そして数値をどう解釈すればよいのかを、できるだけわかりやすく整理します。
血液検査の結果票で見るべき項目
脂質異常症の判断に使われる主な項目は次の3つです。
- LDLコレステロール(悪玉)
- HDLコレステロール(善玉)
- 中性脂肪(トリグリセライド)
この3つの"バランス"が、脂質異常症かどうかを判断する材料になります。
LDLコレステロール(悪玉)の目安
LDLは、増えすぎると動脈硬化を進めやすい脂質です。
一般的には、
- 高めとされるライン:140 mg/dL以上
- 注意が必要なライン:さらに高い数値
といった目安があります。
ただし、
- 年齢
- 他の病気(高血圧・糖尿病など)
- 喫煙の有無
- 家族歴
などによって「どこまで下げるべきか」は変わります。
同じ数値でも、人によって"危険度"が違うという点が大切です。
HDLコレステロール(善玉)の目安
HDLは、血管の掃除をしてくれる"善玉"です。
少なすぎると、コレステロールが血管にたまりやすくなります。
一般的には、
- 低いとされるライン:40 mg/dL未満
喫煙・運動不足・肥満などで下がりやすいため、生活習慣の改善で上がることも多い項目です。
中性脂肪(トリグリセライド)の目安
中性脂肪は、食事や飲酒の影響を受けやすい脂質です。
一般的には、
- 高めとされるライン:150 mg/dL以上
- かなり高い場合は、膵炎などのリスクも上がる
特に、
- 甘い飲み物
- アルコール
- 炭水化物の摂りすぎ
で上がりやすいのが特徴です。
→ 数値は「1回だけ」で判断しないことが大切
- 脂質の数値は、
- 前日の食事
- 採血の時間帯
- 体調
- ストレス
などの影響を受けることがあります。
そのため、1回の検査だけで「重症だ」と決めつける必要はありません。
医師は、
- 数値の推移
- 他の病気の有無
- 生活習慣
- 家族歴
などを総合的に見て判断します。
まとめ:「少し高い=すぐ危険」ではないので安心を
健康診断で数値が基準を少し超えていても、すぐに大きな病気につながるわけではありません。
むしろ、食事、運動、生活習慣を整えることで改善しやすい段階であることが多いです。大切なのは、「自分の状態を知り、できることから始める」という姿勢です。だからこそ、小さな行動の積み重ねで改善できる余地が大きいのも特徴です。
- 食事を少し見直す
- 歩く時間を少し増やす
- 甘い飲み物を控える
こうした"ちょっとした変化"でも、数値は確実に良い方向へ動きます。







