脂質異常症は放置すると危険!医師に相談するべき判断基準について

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2026.02.19 代謝・内分泌の病気

脂質異常症は放置すると危険!医師に相談するべき判断基準について

脂質異常症について以下の記事でも解説しています。併せてご覧ください。

→ 脂質異常症とは?検査値の見方・要注意ラインを解説

→ 脂質異常症の原因は?動脈硬化・心筋梗塞のリスクについて

今日からできる対処法|食事・運動・生活習慣の具体的なポイント

脂質異常症と聞くと、「食事を全部変えないといけないのかな...」「運動を毎日しないとダメ?」と不安になる方も多いですが、そんな必要はありません。

大切なのは、"完璧を目指す"のではなく、"できることを少しずつ積み重ねる"こと。

ここでは、今日から無理なく始められる改善ポイントを、できるだけ具体的に紹介します。

食事のポイント|"減らす"と"増やす"をセットで考える

減らしたいもの(控えめにしたい食品)

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脂質異常症の改善には、「脂質の質」と「糖質のとり方」が大きく関わります。

  • 揚げ物(唐揚げ、天ぷら、フライなど)
  • スナック菓子・菓子パン
  • 加工肉(ベーコン、ソーセージ、ハム)
  • バターや生クリームを多く使った料理
  • 甘い飲み物(ジュース、カフェラテ、エナジードリンク)
  • アルコールの飲みすぎ

特に中性脂肪は、甘い飲み物・アルコール・炭水化物の摂りすぎで上がりやすいのが特徴です。

増やしたいもの(積極的にとりたい食品)

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  • 野菜・海藻・きのこ類(食物繊維が豊富)
  • 魚(特に青魚:サバ、サンマ、イワシなど)
  • 大豆製品(豆腐、納豆、味噌など)
  • オリーブオイル・ナッツ類(良質な脂質)

食物繊維は、余分なコレステロールを体の外に出す働きがあるため、特におすすめです。

 "全部変える"必要はない
  • ご飯を大盛り→普通盛りに
  • 夜の甘い飲み物→お茶に
  • 揚げ物を週3回→週1回に

こうした小さな変化でも、数値は確実に動きます。

運動のポイント|「ゼロを1にする」だけで効果がある

運動は、

  • LDL(悪玉)を減らす
  • HDL(善玉)を増やす
  • 中性脂肪を下げる

という、脂質異常症にとって非常に効果的な習慣です。

今日からできる運動の例

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  • 通勤で一駅分歩く
  • エスカレーター→階段に変える
  • 1日10分のウォーキング
  • 家の中でできる軽いスクワットやストレッチ

「毎日30分」などのハードルを設定する必要はありません。

続けるコツ
  • "頑張る運動"より"続けられる運動"を選ぶ
  • 週合計で「150分」を目指すイメージ(毎日じゃなくてOK)
  • 歩数計アプリで"見える化"すると続きやすい

その他の生活習慣|小さな改善が大きな差になる

禁煙

喫煙はHDL(善玉)を下げ、動脈硬化を進める大きな要因です。
もし禁煙が難しければ、「本数を減らす」だけでも確実にプラスです。

節酒

アルコールは中性脂肪を上げやすいので、

  • 量を減らす
  • 飲む日を減らす
  • ビール→焼酎・ハイボールなど糖質の少ないものに変える

などの工夫が効果的です。

体重管理(特にお腹まわり)

内臓脂肪が減ると、

  • LDLが下がる
  • 中性脂肪が下がる
  • HDLが上がる

という"良い循環"が生まれます。
急激なダイエットは不要で、月に1kg減るだけでも十分に効果があります。

「全部やろう」としなくていい。まずは"1つだけ"選ぶ事から始めましょう。
脂質異常症の改善は、小さな行動の積み重ねが最も効果的です。

  • 甘い飲み物をやめる
  • 夜の間食を控える
  • 10分だけ歩く
  • 階段を使う
  • 野菜を一品増やす

どれか1つだけでも、確実に前進です。

医療機関に相談した方がよいケースと治療の流れ

脂質異常症は、生活習慣の改善で良くなるケースが多い一方で、医療機関での相談が安心につながる場合もあります。
「病院に行くほどなのかな...」
「この数値って、どれくらい危ないの?」
と迷う方のために、受診を検討したいケースと、実際に医療機関で行うことをわかりやすくまとめました。

受診を検討したいケース

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次のような場合は、医療機関に相談すると安心です。

健康診断で「要精密検査」「要受診」と書かれていた

これは、"一度医師に相談してください"というサインです。

数値がかなり高いと言われた

LDLや中性脂肪が大きく基準を超えている場合、生活習慣だけでは改善が難しいことがあります。

家族に心筋梗塞・脳梗塞・脂質異常症の人がいる

遺伝的に脂質が高くなりやすい体質の可能性があります。
特に若い頃からLDLが高い場合は、相談しておくと安心です。

他にも生活習慣病を指摘されている
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 肥満(特に内臓脂肪型)

これらがあると、動脈硬化のリスクが高まりやすいため、医師が総合的に判断してくれます。

医療機関で行う主なこと

「病院に行く」と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、実際には次のようなシンプルな流れです。

①問診(生活習慣・家族歴などの確認)
  • 食事の傾向
  • 運動量
  • 喫煙・飲酒
  • 家族に心臓病や脂質異常症がいるか

などを確認します。

②必要に応じて再検査

健康診断の数値は、

  • 前日の食事
  • 採血のタイミング
  • 体調

などで変動することがあります。

そのため、医師が必要と判断すれば、空腹時の血液検査を行い、より正確な数値を確認します。

③ 生活習慣のアドバイス

医師や栄養士から、

  • 食事の改善ポイント
  • 運動の取り入れ方
  • 体重管理の方法

など、個別の状況に合わせたアドバイスが受けられます。

④ 薬物療法が必要な場合もある

すべての人が薬を飲むわけではありません。
薬が検討されるのは、

  • 数値が非常に高い
  • 生活習慣の改善だけでは下がりにくい
  • 心筋梗塞・脳梗塞のリスクが高い

といったケースです。

薬は、「すぐ飲まなければいけないもの」ではなく、"必要な人にだけ使う選択肢"
と考えてください。

医療機関に相談することには、多くのメリットがあります。

まず、自分のリスクを正確に把握できるため、漠然とした不安が具体的な理解へと変わります。また、数値の変化を専門家と一緒に確認しながら進められるので、「今の状態がどれくらい大丈夫なのか」「どんな対策が必要なのか」が明確になります。

必要な改善ポイントがはっきりすると、インターネットの情報だけを頼りに悩むよりも、ずっと早く安心につながることが多いのです。

そして、受診することは決して大げさではありません。脂質異常症は"早めに気づいて、早めに整える"ことが何より大切な状態です。

「病院に行くほどではないかもしれない」と迷う方もいますが、相談すること自体が、未来の自分の健康を守るための前向きな一歩になります。

気になることがあれば、遠慮せず尼崎市の兵頭内科眼科・ハートクリニックに相談してみてください。

まとめ|「すぐに全部」ではなく「できることから」で大丈夫です

健康診断で「脂質異常症」と指摘されると、不安や戸惑いを感じるのは自然なことです。
しかし、脂質異常症は"今すぐ命に関わる病気"ではなく、将来のリスクを下げるために早めに気づけたサインでもあります。

この記事でお伝えしてきたように、

  • 脂質異常症は血液中の脂質バランスが崩れた状態であること
  • LDL・HDL・中性脂肪にはそれぞれ役割があること
  • 生活習慣や体質が影響していること
  • 放置すると動脈硬化が進み、心筋梗塞・脳梗塞のリスクが高まること
  • 食事・運動・生活習慣の改善で十分に良くなる可能性があること
  • 必要に応じて医療機関に相談することで、より安心して対策できること

こうしたポイントを知るだけでも、不安はずいぶん軽くなるはずです。

そして何より大切なのは、「すべてを一度に変えようとしないこと」。

脂質異常症の改善は、

  • 甘い飲み物を控える
  • 階段を使う
  • 野菜を一品増やす
  • 夜遅い食事を避ける

といった、ほんの小さな行動からでも十分に始められます。

今日できることを一つだけ選び、少しずつ積み重ねていくことで、数値は確実に良い方向へ動きます。健康診断で気づけた今は、むしろ"スタートライン"。焦らず、あなたのペースで整えていけば大丈夫です。

脂質異常症について以下の記事でも解説しています。併せてご覧ください。

→ 脂質異常症とは?検査値の見方・要注意ラインを解説

→ 脂質異常症の原因は?動脈硬化・心筋梗塞のリスクについて

筆者情報

  • 兵頭内科眼科・ハートクリニック
  • 院長:兵頭 永一(ひょうどう えいいち)
  • 1998年3月大阪市立大学医学部卒業

資格・専門医資格

  • 日本循環器学学会認定 循環器専門医
  • 日本内科学会認定 認定内科医・総合内科専門医
  • 日本超音波医学会認定 超音波専門医
  • 日本脈管学会認定 脈管専門医
  • 下肢静脈瘤血管内焼灼術実施・管理委員会認定 血管内レーザー焼灼術実施医・指導医
  • 日本心エコー図学会認定心エコー図専門医
  • 身体障害者福祉法指定医(心臓)
  • 医学博士

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